マレーシアで法人を設立するのに、いくらかかりますか?
本土のSdn Bhd(非公開有限会社)であれば、SSMへの登記手数料はRM1,000(名称予約RM50を含めても約RM1,050)です。ただし実務ではカンパニーセクレタリーの選任・登録住所・定款作成などを代行会社に依頼するのが一般的で、設立一式でRM4,000〜8,000程度が相場です。ラブアン法人は登録エージェント経由でのみ設立でき、初期費用はUSD3,000〜6,000程度が目安になります。いずれも年間の維持費(セクレタリー費用・会計監査・年次申告)が別途かかります。
日本に住んだままマレーシア法人を持つことはできますか?
会社を設立すること自体は可能ですが、税務上は注意が必要です。日本の居住者が持分5%以上を保有する場合、租税負担割合が20%未満の外国関係会社は「外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)」の対象となり、経済活動基準を満たさなければ会社の所得が日本側で合算課税されます。法人税3%のラブアン法人はこの基準に直接かかります。「マレーシアに法人を作れば日本の税金がかからない」という理解は誤りです。必ず国際税務に詳しい税理士に確認してください。
マレーシア法人の取締役に、マレーシア人が必要ですか?
国籍要件はありません。Companies Act 2016では、Sdn Bhdには「マレーシアに主たる居所を有する(ordinarily resident)取締役が最低1名」必要と定められています。国籍ではなく居所の要件なので、就労ビザや長期滞在ビザを持つ日本人が取締役に就任すれば要件を満たせます。設立当初は代行会社がノミニーディレクターを提供するケースもありますが、実質的な支配関係が問われるため慎重な設計が必要です。
ラブアン法人の法人税は本当に3%ですか?
条件を満たした場合のみです。Labuan Business Activity Tax Act 1990(LBATA)により、ラブアンでの「トレーディング活動」からの所得は監査済み純利益の3%、投資保有などの「ノントレーディング活動」は0%が適用されます。ただし2019年以降、業種別に定められた実質活動要件(最低フルタイム従業員数・ラブアンでの年間運営支出額)を満たさない場合、この優遇は適用されず、通常の所得税法に基づく24%課税となります。「登記しただけの箱」では3%は使えません。
法人を設立すれば、マレーシアに住めますか?
自動的には住めません。法人設立と就労許可は別の手続きです。本土のSdn Bhdであれば、法人が雇用主となってEmployment Pass(EP)を申請しますが、払込資本や事業実態の審査があり、2026年6月以降は最低給与基準も引き上げられています。ラブアン法人の場合はディレクター向けのワークパーミットが用意されていますが、こちらも要件は厳格化の傾向にあります。法人形態はビザから逆算して決めるのが実務上の鉄則です。